はじめに
今から42年前の1971年11月12日、浦添が「村」から「市」へ変わった翌年この地に「沖縄青年会議所」という国家青年会議所の最後の青年会議所として浦添青年会議所は誕生しました。復帰を翌年に控えた激動の時代からこんにち今日に至るまで、混沌という未知の可能性を切り開くべく先輩たちは「明るい豊かなまち社会」の構築に向かって英知と勇気と情熱を持って活動を続けてこられました。 歴代の理事長は熱い情熱と絆を持ったメンバーと共にそれぞれの年において地域から必要とされる事業を行い、昇華させてきました。その事業の中には行政や他団体に移管されたものも少なくありません。このことは、浦添青年会議所が地域に必要とされる事業を行ってきた証しでもあり、自分たちの立ち上げた事業に固執することなく移管することによって、さらに必要とされる事業を行っていくという飽くなき情熱があったからでしょう。 2013年、浦添青年会議所は5年ぶりに直前理事長である仲嶺司君を公益社団法人日本青年会議所沖縄ブロック協議会会長として輩出します。公益社団法人としての一歩を踏み出す我々は沖縄ブロックと協調しながら地域社会や行政との連携をさらに深め、より必要とされる事業の創造と大切にしなければならない継続事業を推進していきます。
会員拡大
20歳から40歳までという年齢制限のある青年会議所にとって、新入会員の減少は人数面においても予算面においてもそのまま事業規模の縮小へと繋がります。そのため会員拡大は最も重要な継続事業であり全会員が一丸となって取り組まなければならない活動でもあります。特に現役会員の構成をみると今後3年間で約半数の会員が卒業します。これまでの会員拡大活動は各会員が先輩や取引先へ声かけをしたり、友人・知人等の人脈を活用した「個人」の活動が大部分を占めていました。しかし、普段経済人として活動している会員の活動には限界があり、JCの魅力や活動を認知してもらう機会を創出する必要があります。そのため2011年に立ち上げた「異業種交流事業」を継続し、JC活動への理解を深めてもらうとともに会員が会員拡大事業について「組織」で活動できる体制作りに取り組んでいきます。
我々に必要なもの
我々JAYCEEは地域の若きリーダーとしての資質と、率先して行動する能動者としての自覚を持たなければなりません。その資質と自覚はJCの事業計画に係わり、メンバーや関係団体と意見を交わし、事業に参画し自分たちの行ってきた活動を昇華させることで醸成されていきます。JCという組織は自分達の為に誰かがやってくれる組織ではありません。誰かの為に自分達がやらなければならないのです。 しかしながら現実をみると、各々の経済活動に忙殺され「誰かの為どころか自分の為の時間さえ作ることが難しい」という会員もいます。限られた時間を有効に使い青年会議所にいる価値を認識するためにも、会員一人一人の資質向上が必要だと思います。これまで青年会議所では様々な研修事業を行ってきました。その中には現役会員が経験した事業もあれば、かつて先輩たちが行った事業もあります。これらの事業を再確認し、今の我々に必要な研修事業を拾い上げ、会員一人一人の資質向上を図っていくことが明日の青年会議所を担うメンバーの育成に必要不可欠な事であると思います。
地域に必要とされるために
我々青年会議所は「明るい豊かなまち社会」の構築に向かって日々活動しています。その活動をより効果的に行うためには「地域に必要」な組織にならなければなりません。我々の行う事業がただの自己満足ではなく「誰の為」に「なぜ」やるべきなのかしっかりと考え、地域の声を聞き、行政や地域に密着し魅力ある事業を行っている様々な団体との連携を深めて我々の存在価値を高めていかなければなりません。 そのためには「今の事業」をしっかりと実行すると同時に、「将来の事業」の創造も必要であると思います。2010年代運動指針を軸とした活動を行っていく中で、我々の思い描く未来に必要なことを創造していくためには、浦添という枠にとらわれることなく友好JCである松江JCや、姉妹JCであるクアラルンプール西JCとの交流を深め、事業活動を参考にしながらグローバルな視点と感性を養い、地域へと還元していく事が必要です。
継続と創造
いつの時代も大切なものは将来を担う子供達の笑顔と希望です。これまでも浦添青年会議所では8回にわたる松江・浦添中学生意見交換会や昨年第25回を迎えたわんぱく相撲浦添大会等、様々な青少年事業を行ってきました。その根底にあるのは次代を担う子供たちに助け合いや思いやり、礼儀作法といった心の醸成を育ませることにあると思います。そしてそこに集う我々大人が子供達の行動を通して気付き、学び己の立ち振る舞いを振り返ってもらうことが「大人の背中を見せる」ことに繋がっていきます。これからも先輩たちから脈々と引き継がれてきた想いを継承して行く中で、「継続事業」だからではなく新しい方向性もしっかりと議論し、浦添青年会議所の立ち位置をしっかりと見極めながら、子供達の無限の可能性が花開く一助となるような新しい事業の可能性を模索していきます。
大切なもの
日本という国は戦後の荒廃した焼け野原から高度経済成長期を経て、先進国の仲間入りを果たし技術大国としての地位を確立しました。不況と言われる今の時代においてもこのことに異議を唱える者は少ないでしょう。確かに我が国は素晴らしい国へと生まれ変わりました。街には立派な施設が立ち並び、縦横無尽に走る道路には車が溢れ、家庭には電化製品が並んでいます。 しかし現実には私たちの先達が思い描き望んでいた「明るい豊かなまち社会」とは程遠いような事件や事故が毎日のように起こっています。それは「物」ではなく助け合いや思いやりの精神、倫理道徳観といった「心」の豊かさが足りないからだと思います。 幸せの価値観は人それぞれでしょうが、心が満ち足りてない人に幸せを感じることはできないと思います。青年会議所という組織は、青年経済人である我々が利益や数字ばかりを追い求めるのではなく、「明るい豊かなまち社会」創りに向かって事業活動をする中で利他の精神を育み、地域益に貢献することが自らの幸せだと感じられるような人間形成の場で有り続けなければなりません。
さいごに
私はこれまでに様々な人と出会ってきました。そして多くの人に支えられ、助けられて生きてきました。私の尊敬する人に共通していることは、普段から感謝を忘れず年齢や社会的な地位にとらわれることなく謙虚な心を持っています。そして何より自分の足元を見据え信念を持ち、家族や友人と思いを共有しながら人生をしっかりと楽しんでいます。 第44代の理事長として1年間を駆け抜ける上で、私自身が理事長職を担っていける事、そして我々が事業活動を行わせて頂いている地域に対して、何よりもあした明日への1歩を共に歩んでくれるメンバーに感謝し、「明るい豊かなまち社会」創りに向かって皆さんと熱い情熱を持って議論を交わし、事業を通じて友情を育み、活動できる事を楽しみながら絆を育んでいく事をお約束します。 皆さんとともに最高の1年にしていきましょう!
<事業計画>
- 総務委員会
- ・理事会・総会の運営
- ・HP等の運営
- ・沖縄地区・ブロック協議会、各地青年会議所との調整
- 未来創造系委員会(地域外交流)
- ・松江JC、クアラルンプール西JCとの交流促進
- ・陸前高田JCとの調整
- ・キャンプキンザーとの交流
- 青少年系委員会
- ・わんぱく相撲
- ・食育事業
- 会員拡大・研修系委員会
- ・会員拡大
- ・異業種交流会
- ・定例会後の研修事業
- 地域交流系委員会
- ・JICAとの関係構築
- ・納会