理事長所信

~はじめに~

1971年11月12日に国家青年会議所であった「沖縄青年会議所」から最後に誕生した青年会議所として、浦添青年会議所は那覇青年会議所のスポンサーにより誕生しました。混沌という社会情勢の中、この浦添という地域にて「明るい豊かな社会まちづくり」を行うべく、初代理事長である新門信雄先輩率いる30余名の志高き青年からスタートした当会議所の活動も本年で50年目となります。
我々が今日まで浦添青年会議所という組織が活動を続けられてきたのは、先輩諸兄が英知と勇気と情熱を持ち、様々な時代の移り変わりと共に、事業や運動を企画し、自ら率先して行動することで繋いできた青年会議所運動が、地域の人々や関係諸団体から認められ必要とされてきたからです。
しかし、2020年は新型コロナウイルス蔓延により、世界規模でこれまでの生活様式や経済活動に甚大な影響が及び、当会議所の活動においても各会員の家族や生業を守る観点から会員同士が集まる事ができないなど、今まで我々が当たり前に行ってきた活動ができないという経験をしました。
その様な、今までの価値観が変容し大きな変化を求められる時代の中でも、次の2030年代に訪れる創立60周年へ向けて我々の活動を継続していくには、我々会員一人ひとりが「時代を担う地域の若きリーダー」として先輩諸兄から受け継いだ、情熱と誇りをもって率先的に行動し、未来の会員へ活動を通して背中を見せていく必要があります。
また、本年は20年ぶりに浦添青年会議所から第50代理事長を務めた久高将泰君を、公益社団法人日本青年会議所沖縄地区協議会へ第50代沖縄地区担当常任理事として排出します。それにより当会議所は本年、県内各地会員会議所だけではなく日本青年会議所本会からの見られ方も変わり、現在の現役会員が経験したことが無い新たな一歩を踏み出す事もあり、現役会員一同、出向者を通じ沖縄地区協議会や沖縄ブロック協議会の良い面を大いに吸収し、今まで以上に一致団結し、人財育成、組織作り、を行い「明るい豊かな社会まちづくり」に向けた活動を行います。

~会員拡大と社会まちの活性~

浦添青年会議所は最盛期で100名を超える会員が在籍していた年もありましたが、本年は当会議所の創立当初に近い31名のスタートとなっています。どれだけ情熱を持ちリーダーシップを発揮できる青年でも、当会議所では40才で卒業となります。
我々は会員同士の様々な価値観を取り入れ、地域魅力の発掘や課題解決により地域貢献を行ってきましたが、より良い活動を永続的に行っていくには、多くの同志を増やし多角的に議論を行うことができる素地を作ることが必要とされており、常に会員の新陳代謝を繰り返し時代と共に前進していくためにも、過去から現在まで会員拡大活動は青年会議所活動における最重要課題となっています。
青年会議所活動を通して、さまざまな課題の解決に挑み資質を向上させた人財が各分野で活躍することが地域の発展に繋がることから、本年は委員会単独ではなく、会員全員総力をもって我々の活動に共感する人財を多く巻き込み、青年会議所の魅力を波及させることで社会まちの活性に繋げます。

~組織運営~

近年の浦添青年会議所活動において30名前後の会員数により組織運営が行われてきていますが、会員減少だけではなく、社業では従業員の立場で所属している会員が増えてきている事もあり、「明るい豊かな社会まちづくり」の実現に向けた同じ志を互いに持ちながらも、各会議の運営などの時間調整など、会員同士の連携が難しくなってきている現状もあります。
しかし、昨年度のコロナ禍の影響の中でもWEB会議やWEBとのハイブリッド式会議を実施するなどの新たな手法を用いる事により組織運営の困難を乗り越えた様に、今後の青年会議所活動においても、各会員負担を可能な限り下げ、最大の効果を得る工夫は年間を通して模索していくべきと考えます。
本年度は、委員会を最小数にて設置し、委員会毎の人数を多く確保することで、委員長など理事メンバーの負担を委員会内で分散させることにより、委員会単体の活動力を最大限に引き出します。
しかし、組織体制はあくまで役割分担を明確にし、運営を行いやすくするためのガイドラインであることから、展開される各事業は便宜上運営を担当委員会が担っているだけであり各委員会個別の事業ではなく、一つ一つの目標を達成するためには、一部のメンバーだけが汗を流すのではなく会員全体が事業に関わらなくてはなりません。

~地域の課題発掘~

我々が活動する浦添市は、人口が約11万5千人で平均年齢約41歳と県内でも比較的若い市民が多い地域であり、2019年に開業された沖縄都市モノレールの延線により設置されたモノレール駅周辺の市街地整備や、今後のキャンプキンザー返還跡地を含む西海岸の開発計画などに伴い、今後多くの市内外の人々が集まり、様々な交流や経済活動が行われる事が見込まれ、2020年には市制施行50年を迎えた、明るい未来展望が予想される都市です。
しかし、我々青年会議所会員は、平時は会員それぞれの経済活動を行い、それぞれの家庭を守る中、家族や所属企業などからの助力により青年会議所活動を行うことができています。しかし、我々は、地域の生活外の活動を行うことができない人々の視点から見える、地域に内在する魅力や問題点などの地域課題に気付けていない可能性があります。我々は、委員会活動、理事会、定例会などの会議を多く持ちますが、地域に内在する課題を発見し、今後の活動に取り込んでいくためには、地域に根ざした活動を行っている様々な諸団体との意見交換などを積極的に行い交流の機会を多く持つことや、時代に根ざした先見の明を持った広報活動を通して、地域や公共機関から共感される組織へと成長し、互いに協力しあえる体制づくりを構築する必要があります。

~地域の政治参画~

青年会議所の団体としての特徴として、日本青年会議所や各地区に協議体などが設けられていますが、基本的に各地会員会議所には親会の様な団体は無く、特定の政治、経済、利益団体に影響されず独自に議論し実践行動できる団体であります。特に地域においては、政治を題材とした事業構築を行うことができる団体である事から、本年行われる浦添市長選挙および浦添市議会選挙について各候補者の考えを地域へ発信し、市内各地から出馬するリーダーが着目する様々な問題について、市民自ら考え意思表示する助力となる機会を創出します。

~事業の継続と引継ぎ~

浦添青年会議所は多くの青少年育成に関する事業を行ってきましたが、代表的な継続事業として、「わんぱく相撲大会」があり、当該事業は昨年コロナ禍の影響により惜しくも開催できなかったものの、32年間の歴史があり、浦添青年会議所が男女それぞれの全島大会を主管開催するなど事業は大きく発展し、浦添のみならず沖縄県内全域の青少年へ、礼節や他者を思いやることの大切さを体験していただき、それぞれの人格形成への一助となる機会を創出してきました。しかしながら、青年会議所の活動は地域に必要とされる事業を行い、その事業を行政や関係諸団体と連携し市民レベルに広げ、地域に落とし込むことにあることから、本年度は歴史があり事業として完成されてきた「わんぱく相撲大会」については、共同開催を行うことができるパートナーを探す年とし、将来的な浦添青年会議所から地域へ移管する方向性を模索します。

~意欲的青少年の育成~

青少年期は希望や好奇心にあふれ、失敗や挫折に挑戦し続け乗り越える自立した社会人へと成長するための素養や力量の基礎を築く重要な時期です。しかし、浦添の地に青年会議所が誕生した時と比べて現在は、実体験を得る環境の減少や、地域経済の発展や生活水準の向上から、目標に向かって努力を続けなければならないという意識を持たなくても、ある程度の生活を送ることが可能な社会に発展したことや、目まぐるしく変化する社会の中で不確定な未来に不安を抱くことにより、現状への安住志向が高く物事に意欲を持てない青少年の増加が懸念されています。
本年は新たな体験型青少年育成事業を行い、地域の将来を担う青少年が同年代だけではなく世代間の交流を持ち、普段の生活環境から飛び出し挑戦することで得られる失敗や成功の経験から、自らの将来や地域の未来を深く考え、社会的自立を目指す意欲が醸成されるきっかけを創造します。

~会員の交流活動~

我々会員は、育った環境、家庭、職業、思想などが全く異なったもの同士で「明るい豊かな社会まちづくり」実現に向け行動しています。このような多種多様な人財同士が力を合わせて活動を行っていくためにも、参加することで会員それぞれの生活環境では、なかなかできない体験を得て共有することができ、互いに良い影響を与え、コミュニケーションが活性化される、通常の事業外で会員の学びに繋がる活動も必要と考えます。

~2020年代運動指針~

2010年代から現在までの浦添青年会議所の活動は、青年会議所の基本理念である「明るい豊かな社会まちづくり」を恒久的・不変的な理想を創造するために策定された「2010年代の運動指針」の「個(自分づくり)公(組織作り)和(まちづくり)」の運動3本柱をもとに、行われてきました。2021年代になり、創立50周年を迎える本年から青年会議所の基本理念を時代に即した形で実現していくためにも、2020年代運動指針を策定する必要があります。

~世代を超えた絆~

浦添青年会議所は各世代の様々な考えの下、各時代に即した事業や活動を展開し、現在まで先輩から後輩へ志のバトンを繋いで来られました。しかし、近年は入会歴が浅い会員の割合が増加していることから、今までの歴史を作ってこられた先輩諸兄と現役会員の接点が希薄になってきている現状があります。本年で浦添の地に青年会議所の灯がともり半世紀の大きな節目を迎える当会議所の現役会員は、本年を多くの先輩諸兄の想いに耳を傾けて、現在までの活動功績を知り、情熱と誇りを引き継ぐチャンスと捉え、「創立50周年記念式典」に向け、先輩諸兄と交流を多く持ち、現在の活動を担う我々それぞれの想いを、関係諸団体へ発信し未来へ繋げましょう。

~結びに~

私が2015年に入会した理由は、浦添青年会議所OBより父に声が掛かったことによる紹介であったことから、当初は青年会議所活動にまったくもって興味が持てませんでしたが、個性豊かな先輩達や多くの仲間に出会い、活動への強烈な巻き込みを受けたことから、複数役職をいただき様々な場面で支えられてきたことで、私個人では決して全うできないような活動を現在まで続けることができました。青年会議所活動の魅力は生活環境が異なるメンバー同士が与えられた役を演じ、個人の力では実現できそうにない計画でも、仲間と協力し、時にぶつかり合い、切磋琢磨して事業構築していく過程を体験し、互いに感謝し信頼関係を築くことができ、普段の生活や経済活動では得難い生涯の交友関係を得ることができる所にあります。
人間誰しもが物事を行う上で心に安心領域を持っており、領域を一歩越える負担は人によって異なりますが、一度超えた壁は安心領域内の物となり、もはや壁ではなくなることからも会員の皆様は少しでも現状より負荷の掛かる役割に挑戦し、自己成長するだけではなく仲間の助けとなり、組織の成長から「明るい豊かな社会」の実現に繋げるよう共に邁進しましょう。
最後に我々が現在歩んでいる青年会議所としての道のりは、先輩諸兄が情熱と志を持ち積み上げてきた運動が道標となり、まだ見ぬ未来の仲間へ繋がっていることを忘れてはいけません。我々現役会員に青年会議所活動を伝えてくれた先輩方に感謝と尊敬の念をもち、創立50周年を迎えるこの1年を共に走り抜け、受け継いだバトンを次の時代に伝えていきましょう!